小説「ハッピー黒板」
【最後の手紙〜感謝〜】 あおい様。これが最後の一枚となります。 今まで、あおい様が、勉強に対して、新しい考えを持っていただけたら嬉しいなと思っています。 さて、私からお伝えする内容はこれで最後です。 しかし、その前に、あおい様に感謝を伝えさせ…
「おはようあーちゃん!なんか寝不足?大丈夫?」 唯はいつでもテンションが高い。 「うん。考え事しててあんま寝れなかったんだ。でも、疲れてるけど、気持ちいい感じ。なんか初めて本気で勉強したって感じかな?」 唯はいつも通りニコニコ聞いていた。 「…
「これだけ自分のために書いてくれているんだ。ちゃんと読もう。ここからが、本題だ」 あおいは、息を大きく吸い、気持ちを入れ替えて、三枚目を読み始めた。 これから、あおい様に勉強に対する、新しい考え方をお伝えします。 そこから、なぜ私が、「勉強す…
「何?この手紙。ハッピー黒板?あのボロボロな黒板がハッピー黒板?笑顔の配達人?この人は一体何者?」 あおいは不安になった。 あおいがあのハッピー黒板に書いたことは「なぜ勉強をしなければいけないのか」 その答えに、周りの大人は答えられなかった。…
見慣れない封筒。そこには 「4年4組 田中あおい様」と書かれてあった。 (うそ?だって、私、黒板に名前書いてないよ。文字もいつもよりもぐちゃぐちゃだったから、先生だって私の文字って分からないはず。なのになんで私ってわかったの?) 「おはよう!…
計画は思った通りうまくいった。先生も 「あおいが頭痛なんて珍しいな。大丈夫か?」 と少しも疑っていなかった。普段真面目に授業を受けておいてよかった。 いよいよ、うわさを試す時が来た。唯は 「頑張ってね!先生にはうまくいっとくから!」 と戻ってい…
「あーちゃん、宿題やってきた?」 前の席の唯が教室に入ってくるといきなりあおいに話しかけた。 「あーちゃん」 これは学校で唯だけが呼んでいるあおいのあだ名だ。 「もちろん。やらないとお母さんうるさいしね」 「算プリやってくるの忘れちゃった!答え…
「え?うそ?」 あおいはあわてて手紙をランドセルの中に押し込んだ。 【うわさ】 「ねぇ。この学校のうわさ知ってる?」 噂好きの唯があおいに話しかけた。 朝日第二小学校。 北校舎のほとんど誰も使わない階段(みんなこの階段を「ゆうれい階段」と呼んで…
実は・・・数年前 私は小説を書きました。 きっかけは、子供の夢でした。 きっかけは子供の夢 数年前、私のクラスに小説家になりたいと言っていた子がいました。その子は実際に友達と小説をつくり クラスの本棚に並べていました。 その時その子がぽつりとこ…